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ライノタイプ・タイプディレクター小林章氏に聞こう!!
↓たくさんの方からコメントや質問を頂いておりましたが、ここでドバットまとめて質問に答えてもらいました!↓
気軽に皆様に読んでいただけると嬉しいです。
あなたの質問があるかも?!
その他質問 | |||||||||||
ご質問1 | ご質問2 | ご質問3 | ご質問4 | ||||||||
「ご質問有り難うございます。ライノタイプのディレクター小林章です。
該当しそうなフォントをいくつか書きました。ご希望のイメージに近いフォントがあるといいのですが。」
ご質問1:使用したいフォントは、空気のごとくクセがないサンセリフ、背景が透けないベタマド白抜き文字
1-1 「ベタマド白抜き」は、極太であらかじめ白抜きになっているフォントということでしょうか。
かっちりした Helvetica から落書き風のカジュアルなフォントまでたくさんあります。
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Copal™(コーパル) | Coriander™(コリアンダー) | ||||||||||||||||
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Neue Helvetica™ 75 Bold Outline(ノイエ・ヘルベチカ) | |||||||||||||||||
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Mateo™ Bold Outline(マテオ) | Linotype Mega™(メガ) | ||||||||||||||||
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Strumpf™(ストルンプフ) | |||||||||||||||||
1-2 また、極太のフォントを使ってグラフィックアプリケーションでアウトライン加工などすれば後ろが透けない白抜き文字ができると思います。
例えば次のようなフォントです。
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Bigband™(ビッグバンド) | ||||||||
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ITC Motter Corpus™(モッター・コーパス) | ||||||||
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Mojo™(モージョ) 10月号に特集あります!!! |
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ご質問 2 :「こんな所で使われている」といった事例的なもの
ドイツライノタイプ社の Fonts in use* をご覧いただければヨーロッパを中心にした使用例が見られます。
私もときどきフォントを見分ける手伝いを頼まれるんですよ。
*メールマガジンでフォントの使用例を掲載してます!
2004年3月
2005年3月
2005年5月
過去メールマガジンの一覧もあります!
ご質問 3 :ヒストリカルな読み物など、楽しく学べるようなフォント
3-1 「ヒストリカル」にもいろいろ見方があるでしょうが、オリジナル活字のボソボソ感をそのまま残したフォントは、
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Founders Caslon™ (ファウンドリー・カスロン) | |||||
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Bodoni™ Seventy-Two(ボドニ・セブンティ・トゥー) | |||||
3-2 ボソボソ感をやや大げさにしたフォントもあります。
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Linotype Compendio™(コンペンディオ) | ||||
3-3 またタイプライター風でボソボソ感のあるフォント。
「ヒストリカル」のなかでも近代の歴史に限られそうですが。
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Linotype Typo American™(タイポ・アメリカン) | ||||
3-4 あとは以下のような「古い時代の手書き文字風」フォントを選ぶ手もあります。
特定の時代を感じさせるフォントをお探しならば拙著『欧文書体 その背景と使い方』の「時代を軸に選ぶ書体」を参照ください。
おおざっぱな時代別に分けてあります。
ご質問 4 :ちょっとかっこ良さげなフォント
「かっこ良さげ」、これは難しいですねー、どれをカッコイイとするかですね。
私の若い時はジーンズに穴の空いたのはカッコワルイ、つぎがあててあるのはもっとカッコワルイと思われていたんですが、いまは最初っからつぎがあたってたりシミになったりしてますからね。
そんなわけで「エレガントでかっこ良さげ」、「ワルっぽくかっこ良さげ」に分けて、私の趣味で選びます。
このうち、とびきりカッコ良いと思っている Galliard については『デザインの現場』10月号で制作者のマシュー・カーター氏にインタビューして、カッコ良さの秘密を分析しています。図版も多いので Galliard 書体の持ち味がつかめると思います。参考にしてください。
4-1 「エレガントでかっこ良さげ」、つまりフォーマルなスーツみたいなカッコよさ。
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Cochin™ Italic (コシャン・イタリック) | ITC Galliard®(ガリヤード) | ||||||||||||||||||||
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ITC Humana™ Serif(ヒュメイナ・セリフ) | |||||||||||||||||||||
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Janson text™(ジャンソン) | ITC Obelisk™(オベリスク) | ||||||||||||||||||||
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Oxford™(オックスフォード) | |||||||||||||||||||||
Shelley™ Script(シェリー・スクリプト) | |||||||||||||||||||||
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Snell Roundhand™(スネル・ラウンドハンド) | |||||||||||||||||||||
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Stempel Schneidler® Roman(ステンペル・シュナイドラー・ローマン) | |||||||||||||||||||||
4-2 「ワルっぽくかっこ良さげ」は
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Caslon 540 Italic(カスロン・540・イタリック) | |||||||||||||
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ITC Humana™ Script(ヒュメイナ・スクリプト) | |||||||||||||
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Ironwood™(アイアンウッド) | |||||||||||||
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ITC Johann Sparkling™(ヨハン・スパークリング) | |||||||||||||
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Mesquite™(メスキート) | |||||||||||||
(解答文)ライノタイプ社 タイプディレクター 小林 章 氏
他にもたくさん質問を頂きました、有難うございます。
以前のご質問内容と同じ質問が多かったので、下記に再度簡単にご案内させて頂きます。SDG
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*書体の制作過程などのリポート
レポートを作るっというのは、数日間ではちょっと無理なのですが、現在制作中(発売予定11月) 「Platino nova」 のご案内はできるかと思います。現在、章氏は巨匠のタイプデザイナー(現在も現役で活躍中)、ヘルマン・ツァップ氏と一緒に作成中です。年内には、皆様にも詳しい内容をご案内できると思います。もう少しお待ち下さい。
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* フォントの成り立ちや歴史
* 知ってて得するフォントの豆知識など
* デザインする上でのフォントの使用方法の注意点など
このご質問につきましては、以前ご案内させて頂きました、『欧文書体 その背景と使い方』に掲載されています。
以前の章氏のコメントと重なると思いますが、新しいメッセージも届いてます!
これらについて、まさにその答えを拙著『欧文書体 その背景と使い方』に書きました。基礎知識も豆知識も同時に載せましたし、ヘルマン・ツァップ氏やアドリアン・フルティガー氏とのフォントの開発の経緯も少し紹介しています。過去のレタリングの本に必ず出てきた「書体の細かい分類」や「文字の各部の名称」などの用語の羅列は大して役に立たないし退屈なので大半を削り、ローマ字だけでは読みづらい書体名があるので、すべて書体名にはカタカナで読みを添えました。
結果的に、初心者や学生の方にもわかりやすいようになったと思います。この本で欧文書体を身近に感じてもらえれば幸いです。
日本は世界でも指折りのデザイン先進国です。そこから発信する欧文の文字組版がもっと美しくなって、世界に通用するようなものがどんどん出てきて欲しい。そんな気持ちで書きました。
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